アイドルの約束をわたしは信じない

アイドルに生かされアイドルに殺される

はじめに

高校時代、アニメや漫画や声優やアイドルが好きで、共通の趣味で知り合った年上のお姉さんたちによく遊んでもらっていた。
好きな声優のイベントや、好きなアイドルのライブや、好きなジャンルの同人即売会があれば、校則違反を犯してまで無理やりしていたアルバイトで貯めたお金を握りしめて群馬から東京まで出てくる所謂"オタク"であった。
大人になれば、経緯はどうであれ、自然と"オタク"を卒業するものだと思っていた。

高校を卒業して数年が経った。ついでに言えば、4年制の大学も卒業してしまった。
就職活動は苦労もせず、何も困ることもなく進み、業界ではわりと大きい会社に就職した。そして3年経たないうちに退職した。
なぜ退職したかというと労働環境や給与形態やら上司やなんやらと様々な理由があるが、大きな理由としては、オタク活動に支障をきたすからである。
イベントやライブは土日に催されることが多いが、わたしが勤めていた会社は土日休みではなかった。土日こそが会社としての稼ぎどきであった。
ではなぜ土日休みではないと入社前から分かっていた会社に入社したのか。それは、社会人になれば"オタク"を"卒業"するだろう、と思ったからである。

結論から言えば、社会人になってもなお、"オタク"を全く卒業できていない。
アニメや漫画を見ることは少なくなった。二次元のキャラクターにもあまり興味が湧かなくなった。しかし問題は三次元だ。
どういうわけか、いい大人になった今、同じ時代を生きている"アイドル"と呼ばれるひとたちの"オタク"をしているのだ。

母親の影響から、もともとジャニーズは好きであった。今もジャニーズが大好きである。もちろん、他の事務所のアイドルも好きだ。男性アイドルに限らず女性アイドルも好きだ。女性アイドルが好きすぎて同性愛者だと思われたこともある。
そしてアイドル好きは国境まで越えてしまった。KPOPと呼ばれるものにハマってしまった。絶対にハマらないと思っていた。まんまとハマってしまった。
外国語の授業が大嫌いだったわたしが、自ら韓国語のテキストを買って勉強をした。仕事中、フレッシュネスバーガーでアボカドバーガーに食らいつきながら一文字も読めないハングルの勉強をした。話せはしないが聴き取ることはできるような気もしなくもないと言いたいところだが、正直何を言ってるのかサッパリだ。別にいいのだ。問題はそこではない。

大人になれば、当たり前のように"オタク"を卒業すると思っていたわたしが、息をするように"アイドルオタク"をしている現状が問題だ。と、思ったりもするのだが、別に誰に迷惑をかけているわけでもないし、毎日が楽しいので、わたしはこれからも"オタク"を続けていこうと思う。